田崎史郎『安倍官邸の正体』を読んで、安倍政権の選挙の強さを知るとともに、選挙結果に反映されにくい課題を考える。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2014/12/27

田崎史郎『安倍官邸の正体』を読んで、安倍政権の選挙の強さを知るとともに、選挙結果に反映されにくい課題を考える。


安倍官邸の正体 (講談社現代新書)安倍官邸の正体 (講談社現代新書)
(2014/12/17)
田崎 史郎

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 時事通信の編集委員で、いわゆる政治記者の田崎さんが書いた本。タイトルはおどろおどろしいが、安倍政権応援本。

 役人が知っている官邸の内部の構造(内廊下の存在)とか、菅さんが実力者とか、その通りだと思うし、実は他の新聞でもよく書いてあること。

 詳しく知った点は以下のとおり。

(1)総理、官房長官、政務・事務副長官、今井秘書官が毎日10分程度の会議を行っていること。(p29)。また、官房長官と政務の副長官は朝会を別途やっていること。(p33)

(2)人事案件について、最高裁判事の案件で最高裁事務局が日弁連推薦の判事案を一人持ってきたのを突っ返して複数人の人事案をもってこさせたこと。(p63)

 これで、みんな役人震え上がったんですよね。

 総理、官房長官など万全な官邸の戦略で、自民党を押さえ、選挙に勝つという戦略を緻密に立てている。これ自体は政権として当然、合理的なことだし、むしろ評価すべきことだと思う。

 田崎さんはまったく論理的に詰めていないけど、代表民主主義で選挙に勝つことは最高の正統性を与えることになるけれど、それからもれる国民の利益にも目配りが必要だと思う。小生が気になっている点。

(1)選挙は選挙権がある人の判断。だから、選挙権のないこどもやこれからの世代の意見は当然反映されない。赤字国債をとめられない、減らせないということは、現世代の選挙権のある人には現実的な苦痛はないけれど、次世代のつけまわし、次世代の時代には予算が国債償還費で一杯になっていることを決定していることになるので、この選挙権がない次世代の国民の利益をきちんと考える必要がある。

(2)現実の選挙制度は、投票価値に不均衡があり、依然として地方に手厚い制度になっている。最高裁は厳しい判断をだしているので是正されていくと思うが、どうしても、大都市の生活環境改善よりも、地方の活性化、人口の少ない地方への政策が重視される傾向がある。大都市で生活に苦しんでいる人にもきちんと目を向けないといけない。

(3)「合成の誤謬」の問題。地方に本当に日本の成長力を支える本社機能が移ったら、その地方のGDPはあがっても、国全体としてのGDPは下がってしまって、結局国全体が貧しくなってしまう。みんながよかれと思ったことがトータルとして、マイナスになるような問題は、選挙制度で判断するのではなく、専門家の判断を尊重すべき。

(4)経済学がだらしなから、混乱しているけど、そもそも、日銀が通貨を大量に供給しても、資産デフレになるだけ、円の価値が下がって円安になっても製造拠点を既に海外に移している製造業の輸出は増えないという結果になっているのは、正統派経済学者の一致するところだと思う。そもそも、経済学者の学会などでの努力が足りない、正統派経済学者の発信が足りないと思うが、経済運営、金融政策にも、専門家の判断を尊重する必要がある。

(5)あと、選挙に勝つというのは結局、日本国内の問題でそれに長けていても国際問題に強いとは限らない。国際的な金融危機、ルーブルの下落が始まっているが、ギリシャが緊縮財政を反対する大統領が選出された場合には、ドイツが国内世論を押さえられなくなって、今のEUの仕組みが崩壊するかもしれない。そういう海外の経済、金融問題について、的確な判断をする専門家が必要だと思う。

 結局、選挙民が的確に判断できない、将来のことにきちんと官邸が目配りすること、合成の誤謬を起こす事例、経済政策、国際的な経済、金融政策などへの、ちゃんとした正統派の専門家のスタッフが政策判断に加わる仕組みを作っておかないと、万全ではないと思う。防災とか外交とかの危機管理も同様。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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