ジョゼフ・ナイ『大統領のリーダーシップ』を読んで、理想主義的なウィルソンやブッシュジュニアを批判しているのが的確だと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/01/03

ジョゼフ・ナイ『大統領のリーダーシップ』を読んで、理想主義的なウィルソンやブッシュジュニアを批判しているのが的確だと思う。


大統領のリーダーシップ大統領のリーダーシップ
(2014/10/17)
ジョセフ・S. ナイ

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 国際政治学の大家のナイの最近の本。

 20世紀のアメリカ大統領の分析をしている。

 自分なりに整理すると、理念的で政治を革新しようとした大統領、例えば、ウィルソンとかブッシュジュニアは結果としてアメリカに危機をもたらし、漸進主義的なアイゼンハウアーとかブッシュシニアの方があまり人気はでないけど、成果があったとする。

 また、セオドアルーズベルトのような対外的な政策を意識した方がよく、米国単独の利益を重視すると危険だとする。

 なお、ケネディなど民主党にはからく、共和党にあまい感じがするが、ニクソンなどは触れていない。

 日本としては、というか、自分としては、アメリカの大統領が変に理念的に世界に民主主議を発展させるんだといって、世界に打って出られると、結局紛争が起きやすくなるので、パワーバランスを考えつつ、倫理的、理念的な問題にも前向きだけど、慎重という、中庸な態度の大統領が望ましいと思う。

 その意味では、オバマ氏はアメリカで人気がないが、ナイ氏も評価しているようにプラグマティックで、無茶な武力侵攻とかしそうもないという意味で安定感があると思う。

 以下、ナイ氏の記述で気になった点。

(1) 位置No. 99-101)
日本のリーダーたちは、日本がグローバル・シビリアン大国(世界民生大国)になるような選択を行うべきだ。軍事資源に加えて経済的な力やソフト・パワーも活用することで、日本は安全保障を補強する安定というグローバルな公共善に貢献することができる。

(2)( 位置No. 135-136)
アメリカの卓越性が拡大した重要な時期に指揮をとった8人の大統領について調べた結果、私は次のような意外な結論に達した。ウッドロー・ウィルソンやロナルド・レーガンのような変革型の大統領は世界に対するアメリカ人の見方を変えたが、ドワイト・アイゼンハワーやジョージ・H・W・ブッシュのような取引型の大統領は、ときとしてそうした変革型の大統領より大きな成果をあげ、倫理的にも優れていた、という結論である。

(3)(位置No. 414-417)
ソフト・パワーのスキルは、感情的知性(自分の感情を制御する能力や感情的刺激を使って他者を惹きつける能力)、ビジョン(理想と目標と能力のバランスがとれた魅力的な未来図)、コミュニケーション(言葉やシンボルを使って仲間内の人々とより広い聴衆の両方を説得する能力)などだ。

(4)(位置No. 1221-1224)
それに加えて、レーガンのもっとも強力な変革目標のひとつは世界から核兵器をなくすことだったが、これについては、彼はもちろん失敗した。皮肉なことに、レイキャビク会談では核問題について前進したのだが、戦略防衛構想(SDI)の実験を研究室内にとどめてくれというゴルバチョフの要請を拒否したため、結局、失敗したのである。

レーガンは本当にSDIが価値があると思って、ゴルバチョフの譲歩を蹴ったのは本当に核廃絶のチャンスを逃した結果になり惜しかったというのが定説だと思う。

(5)(位置No. 1986-1990)
よいリーダーのもっとも重要なスキルのひとつは、システムや制度を設計し、維持することだ。これは有効性と倫理の両方に関係する。お粗末な設計の制度とは、個々の事例においてではなく長期にわたって集団の目的を達成できない制度をいう。しっかりした設計の制度には、リーダーの失敗を抑止する方法に加えて、自己修正の手段も組み込まれている

(6)(位置No. 2997-3001)
ウィルソンとジョージ・W・ブッシュには不思議な共通点がある。どちらも宗教心が篤く、道徳心の強い人間で、一般投票の得票数は半分に満たなかったが選挙人投票で当選し、最初は外交政策のビジョンは打ち出さず、国内問題に集中していた。どちらも当初は変革型の国内政策で中間選挙に勝利した。どちらも世界を灰色のグラデーションではなく白と黒の2色でとらえる傾向があった。どちらも自信を誇示し、大胆なビジョンで危機に対応し、そのビジョンに固執した。

(7)(位置No. 3164-3167)
われわれは多様な文化の世界で暮らしており、社会工学や「国づくり」の方法についてはほとんど知らない。世界をよりよくする方法に確信が持てないとき、中庸は重要な徳になり、自信過剰なビジョンは重大な危険をもたらすおそれがある。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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