田村秀『自治体崩壊』を読んで、人口減少の町村が合併して自治体が減っていくことにはなんの問題もないと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/01/26

田村秀『自治体崩壊』を読んで、人口減少の町村が合併して自治体が減っていくことにはなんの問題もないと思う。


自治体崩壊 (イースト新書)自治体崩壊 (イースト新書)
(2014/12/10)
田村秀

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 旧自治省入省後、途中で退官をたぶんして、今新潟大学の先生となった著者の本。

 前半の4章ほどの現状分析、将来予測の評価については、わかりやすいしあまり異論もない。

 そんなに簡単に農山村集落がなくなるわけではないけど、人口が減少した場合に、市町村という行政体の組織がより効率的な方向に合併していくことは当然ありうる。また、あまりに人口の少ない県は、参議院選挙の区割りでも一つの区域を充てられなくなるなどを通じて、より効率的な県の区域に変わっていくこともありだと思う。

 別に地域の共同体意識があるのは、旧村、多分、中学校区か複数の小学校区単位で、今の大部分の市町村の行政区域はそれを大きく越えているので、地域の共同体意識を増進する試みを別途行って、地域の共助を進めることと、市町村の行政区域が広がることは直接には関係しないと思う。

 著者が指摘している地方創生の方向性にも納得感のあるものが多い。

(1)人口1億人に無理にこだわらなくていい。(p191)

(2)フランスの出生率の改善は、コーホートの変化、出産の先送りと高年齢出産に伴うもので、政府の財政支出の効果とは
いえない。(p199)

(3)移民受け入れは、ヨーロッパで失敗に終わっていることから慎重であるべき。(p203)

 3Kの職場に人が集まらないのは、業務内容に比べて賃金が安いからで、そこは、ITなどで業務の効率化を図って、その分の収益を賃金に回さなければ人は集まらない。

 むしろ、移民は、オーストラリアのように高額の資金を国内貯金するなど、むしろアッパークラスで学歴、能力の高い外国人の流入促進を図った方がいい。外国人の3K業務を安くさせるために移民を認めるのは、後々大きな問題を残すと思うし、発展途上国でもどんどん賃金があがっていくので、持続可能性がない。

(4)消滅都市はほとんど過疎地域なので、過疎対策事業の再検証を行うべき。(p213)

 市町村役場にお金を配って、過疎地域の自立をさせるという発想が無理があると思う。地域自立というのは、役場に頼らず、地域の住民が自分たちで地域環境を守るという自立心からしか生まれないと思う。また、仮に地方交付税を今くばっても、国の財政事情からみて、社会福祉など生活環境の維持政策にお金を回さざるを得ず、中期的には削減されることから、持続可能性もない。役場が配るお金がなくなったら終わりという結果が生じるのは目に見えている。

(5)郊外のショッピングモールの規制。

 少なくとも、人口減少社会になれば、これ以上農地をつぶして商業施設をつくるニーズもないことから、きちんと都市計画制度を用いて、郊外立地を抑制すべき。これ以上の郊外化を抑制するのは国の政策でも位置づけるべき。

(6)空き家を資源に。(p226)

 これも、地方都市のまちなかではリノベーションで、北九州家守舎の活動のように活性化を図る、郊外部の住宅団地や農山村集落では、福祉転用施設の立地などを誘導することが重要。

(7)東京と地方は車の両輪。(p260)

 これも小生が強く指摘していること。

 旧自治省の経験から、自治体職員に過大な期待をしているが、自治体職員は、交付金とか補助金にあわせてお金を国に要求することに長けているけど、本当に、リスクをとって事業を始めたりした経験はなく、地方の活性化のノウハウは本来的にはないという前提で議論をすべき。地方の企業がどうもうかるか、を考えて仕事をしているのは、自治体職員では極めてまれ。

 自治体職員は、もうかる仕事が地元企業や地域共同体で生まれるための環境整備に徹するべき。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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