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2015/01/31

橘玲『不愉快なことには理由がある』を読んで、進化生物学からの社会評論は結構説得力あり。


不愉快なことには理由がある不愉快なことには理由がある
(2012/11/26)
橘 玲

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 キンドルで購入。橘玲さんというのはどういうバックボーンの方か全くしらない。

 試しに読んでみたら、ドーキンズの「利己的な遺伝子」をベースにした進化生物論の観点から鋭く社会批評をしている。

 具体的な箇所はあとから引用するが、論点としておもしろいと思った点。

(1)人類はなわばりを守り、そして外の縄張りを攻撃するような個体が生き残ってきたので、うまれながらそう設計されている。領土問題はこのなわばり問題。

(2)多数決が有効なのは、そこから離脱する自由がある場合。農耕社会では離脱ができないので、全員一致、それができない場合には多数決でなく戦争で決めた。決して、世界的にも多数決は普遍的なものではない。日本だけでなく世界も決断ができないのはそのため。

(3)市場が大きくなると、税制とか利権にかかわりなく自然と富は一極集中する。

 これは納得できないので、参考文献の『禁断の市場』を読んでみたい。

 以下、引用部分。

(1)(位置No. 1205-1211)
なわばりによって自分と家族の生存領域を確保するのは、哺乳類だけでなく、昆虫や爬虫類、両生類、魚類、鳥類にも共通する進化の大原則です。このプログラムは生き物が子孫を残すのにものすごく有効な戦略だったので、なわばりを守れないような個体は淘汰されて進化の歴史から消えてしまったのです。  しかし、たんになわばりに閉じこもっているだけでは遺伝子は途絶えてしまいます。メスは、相手のなわばりにいるからです。こうして進化という巧緻なプログラマーは、「相手のなわばりを侵せ」という命令を書き加えました。私たちは生まれながらにして、自分のものを守り、相手のものを奪うよう「設計」されています。

(2)(位置No. 1311-1313)
それでは、多数決による決断はどのようなときに可能になるのでしょうか。  もっとも重要なのは、意に沿わない決定を下された少数派が自由に退出できることです。農耕社会では土地を失えば死ぬしかありませんから、そもそもこの選択肢が存在しません。

(3)(位置No. 1372-1376)
欧米や日本のような民主制国家では、もはや国家は国民を弾圧したりしません。成功するかどうかは別にして、国家は国民を「幸福」にするために存在するのです。  こうして、国家が国民を犠牲にするのではなく、国民が国家を搾取するようになりました。しかしこれは、けっして他人事ではありません。  ギリシアは福祉国家のカリカチュアで、私たちは鏡に映った自分の姿を見ているのかもしれないのです。

(4)(位置No. 1428-1431)
市場も、ひととひととがお金をやりとりするスモールワールドです。そうであれば、市場のハブとなる特定の企業や人物に富が集中するのは当たり前です。このことに最初に気づいたのは数学者のベノワ・マンデルブロで、税制や規制、利権や陰謀などに関係なく、市場が拡大すれば(全体のパイが大きくなれば)必然的に富の一極集中は進むと考えました。
参考文献:ベノワ・マンデルブロ『禁断の市場―フラクタルでみるリスクとリターン』(東洋経済新報社)

(5)(位置No. 1531-1534)
日本では労働法はひとつしかありませんが、アメリカでは州ごとに解雇規制が異なります。そこでアメリカ各州の解雇規制を比較することで、それが労働市場にどのような影響を与えているのかを調べることができます。  この巧まざる社会実験は、「正社員を解雇できないと派遣労働者が増える」ことを示しています。

(6)(位置No. 1907-1910)
江戸時代が「定常社会」なのは、日本の総人口が2600万人前後のままほとんど変わらなかったからです。しかしこれは社会が安定していたためではなく、農村で増えた人口を都市が間引いていたからでした。江戸や京・大坂は、出稼ぎの若者たちを集めては死へと追いやる〝アリ地獄〟だったのです。

(7)(位置No. 2275-2279)
「5」「50」「150」というマジックナンバーは、それぞれ家族、親族、ムラという、生き延びるのに死活的に重要な人間集団に対応しています。AKBは「58」や「68」であってはならず、「48」には進化論的な理由があったのです。 参考文献:ロビン・ダンバー『友達の数は何人?―ダンバー数とつながりの進化心理学』(インターシフト)

(8)(位置No. 2382-2385)
ところで日本の宝くじは、平均的な期待値が47円と恐ろしく低いことが特徴です。サマージャンボを3000円分買ったとすると、その瞬間に1590円が日本宝くじ協会によって差し引かれてしまいます。これほど割に合わないギャンブルはほかにはないので、「宝くじは愚か者に課せられた税金」と呼ばれるのです。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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