飯島洋一『らしい建築批判』を読んで、建築家や建築学徒に期待したいことを考える。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/02/16

飯島洋一『らしい建築批判』を読んで、建築家や建築学徒に期待したいことを考える。


「らしい」建築批判「らしい」建築批判
(2014/08/22)
飯島洋一

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 大村先生の推薦。

 安藤忠雄氏と伊東豊雄氏の建築の、いわゆるコンペに勝てる「らしい」建築批判。

 極端で目立つ建築物、奇抜な構造などが、コンペで勝つために必要条件のようだが、それって、本当に国民のためになっているのかな。

 市場主義に反発するといったって、有名建築家に設計をお願いするのは、市場主義からの儲けを集めた行政か、資本家だろう。そもそも、建築家の設計って、大規模なものを目指せば、市場主義と決別するなんてできない。

 伊東さんが、東日本大震災でみんなの家という平凡だけで、使いやすい空間をつくる一方で、奇抜なデザインのコンペに大震災以降も参加しているのも、そうでないとコンペが通らないのなら、建築家としては合理的な発想だろう。

 大事なのは、それが公共建築物であれば、税金を負担している住民、国民のニーズにきちんと合っていて、費用対効果がちゃんととれていること。これから財政難になれば、住民に使いやすくて、快適な空間、地域に開けた空間であって、安くできる建築設計を求めるのではないか。

 市場主義の中でも、奇抜な設計が許容されるのは、オイルバブルとか、中進国で事実上独裁体制にある政府が自分の威信を建築物で示そうとする場合に限られていくのではないか。

 僕は、建築家や建築学徒にこういう視点を大事にしてほしいと思う。

(1)利用者にわかりやすく、もう一度来てみたいという空間。安藤忠雄さんの建物はどれも迷路のようで、兵庫県庁の時に自分の所管する建物でも、案内してもらわないと目的の事務所に着けなかった。美術館もどこが入り口がわからない。こんな、利用者を無視した設計ってないと思う。

(2)お金のことを考えずに奇抜な設計するのはやめてほしい。また、行政の発注者も設計、施工費の上限をセットしてその範囲内で、できる設計を選ぶべき。資本主義社会、市場主義、国民の税金でつくるのだから、自分たちは芸術家だからお金のことは関係ないという発想はとれるわけはない。バルブの夢は捨ててほしい。

(3)地域の歴史をちゃんと勉強してから設計してほしい。明治神宮が練兵場から、明治天皇崩御のあと、国民の善意で森ができ、外苑では天皇の奉納するという思想から運動施設ができている。そして、当初は銀杏並木から見えないように運動施設ができていた。それがだんだんいいかげんになっているが、そういう歴史とそれへの市民の愛着をちゃんと理解して設計を考えてほしい。また、審査する側にもそれだけの素養と教養が必要だと思う。

(4)建築家や建築学徒は、ファイナンスや経営のプロと組んで、自らちゃんと設計のリスクを負って、経営まで参画してほしい。リスクを負わないで初期の形だけつくるという発想では、責任をもって、ちゃんと使いやすい空間、維持管理費が抑えられる空間をつくれるわけがない。自分で損をして破産してみて、初めて建築設計の重要さがわかる。

(5)建物だけでなく、周辺の空間、広場とか道路とかの設計も一体的に建築家は設計してほしい。逆に、発注者は、その施設管理者などにちゃんと同意をとって一体的に設計の発注ができるようにしてほしい。

(6)人口減少社会、定常経済社会という日本がこれまで経験したことのない社会に直面したときに、時間の経過ととともに、減築や増築など変化ができる設計を考えてほしい。場合によっては移築もありえる。建築物は3,40年維持されるが、その時点の日本の経済社会などだれも予測できない。予測できないことを前提にして、柔軟に変更できる内部設計、外部設計を期待する。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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