フライ『幸福度をはかる経済学』を読んで、こういう経済学なら政策にたくさん応用できる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/02/20

フライ『幸福度をはかる経済学』を読んで、こういう経済学なら政策にたくさん応用できる。


幸福度をはかる経済学幸福度をはかる経済学
(2012/09/11)
ブルーノ・S・フライ

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 確か、橘玲さんの本の参考文献。

 読んで、ものすごく惹きつけられた。ヨーロッパの複数国のアンケートのパネル調査と、ドイツ統一前後の分析などを通じて、幸福度が何に影響されるかを統計処理で分析した本。

 おもしろいと思った分析結果。

(1)幸福度と所得は正の相関関係があるが、所得がふえるにつれて限界効用が下がる。そして、先進国でも途上国でも同じ結果でその関係性は統計上頑健。(p41)

 これからの日本の地方では、所得が下がると幸福度が大きく落ち込む可能性があるので、それを維持する政策が重要だと思う。

(2)失業が幸福度の低下に与える影響が大きく、所得がなくなるだけでなく、自尊心や自己統制心がなくなといって心理的コストが大きい。(p62)また、失業率の上昇は社会全体の幸福度も下げる。(p67)

(3)スイスは州ごとに異なった直接民主制を引いているが、直接民主制の範囲が広いなどその程度が大きいほど、幸福度も高い。政治に参加できる権利があると幸福度が高まる。(p83)

(4)ボランティア活動は幸福度を高める。しかし、ボランティア活動が過小供給になっている(そんなに幸福度をたかめるのなら、なぜみんながもっとボランティア活動をしないのか?)の理由の分析は課題。(p107)

(5)結婚による幸福度は大きく上昇する。しかし、10年程度でかなり低下するが、もとに戻るわけでない。教育水準が同じ程度の場合結婚後の幸福度の低下は鈍い=結婚による幸福度が比較的維持される。(p114)

(6)迷惑施設や課税など自分に不利な政策でも、そのプロセスが公平であると感じられると、幸福度があまり下がらず、受け入れる傾向にある。(p144)

 これなど、都市計画の住民参加手続き充実の重要なimplicationだと思う。

 なお、著者は、幸福度研究の結果から、幸福度を表す指標を政策目標の第一順位にする(ブータン型)のは否定的。GNPなどの経済指標を目標としつつ、幸福度研究で得られた洞察を参考にして政策を立案することを提案している。(p199)

 なお、第14章で、アメリカのspecial districtのようなサービスに応じて様々な行政体が重複するシステムが、受益と負担の関係が一致して、幸福度があがるとして提案している。

 日本では新しい自治体をつくるのは地方自治法をかえないとできないが、とりあえずBIDとかTIFの制度を作って、地域負担で地域環境を維持する仕組みを導入するのが先決だと思う。

 これは、経済学の革新的な本だと思う。参考文献「日本の幸福度」(日本評論社)
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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