ビンガー『暴力の人類史 下』を読んで、冷静にみて暴力がマクロで減ってきた現状に希望が少しみえる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/02/22

ビンガー『暴力の人類史 下』を読んで、冷静にみて暴力がマクロで減ってきた現状に希望が少しみえる。


暴力の人類史 下暴力の人類史 下
(2015/01/28)
スティーブン・ピンカー

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 暴力の人類史の下を読みました。

 前半は、統計からみて様々な暴力がマクロからみて減っているデータを分析していたが、下巻も最初は、女性、子ども、同性者、動物などの殺人や虐待がマクロの統計データとして現在にいたるまで減少してきた事実を示している。

 その次ぎに、暴力の減少の背景の分析。

 著者は、第一に、人類には、脳の古い気質部分を中心にして暴力性向が人類にあるという楽しくない事実を説明したうえで、主に、狩猟民族自体からの「捕食」、なわばりを守るという「テリトリー、優位性の確保」「報復、復讐」「サディズム」「イデオロギー」という悪の性向があるという。(第8章)

 その一方で、人間には構成的に暴力の激情を抑える経験や知能を高めてきたという。例えば、「共感」、「セルフコントロール」(残念ながら遺伝的形質の部分が大きい)、「道徳とタブー」「理性」が、経験的に暴力を抑制する機能をだんだん強めているという。

 理性との関係では、知能水準がアメリカでは1910年ぐらいか現在にかけてIQが上昇してきており、これと連動して、IQ、知性の高いグループはリベラルの傾向が強まっている。(p520)

 また、統治機構が、平和主義者に強力せずに暴力をふるった場合の懲役など法的コストを高めることによって、囚人のジレンマ状況の中でも、平和主義同士が協力する方向に進展しているのも力強い。(p549)

 また、女性が社会の活動で主体的権力をもっている国こそ、マクロでみれば(たまにはサッチャーのように好戦的な女性もいるが)、全体として武力衝突や戦争の可能性は下がってくる。これも将来に向けて期待が持てる実証結果だと思う。

 知識が高まり、理性が活性亜し、女性が活躍して、安定した法秩序が守れれば、暴力がより減る可能性があるというのは力強い。

 目の前でテロが頻発したりイスラム国なるものの卑劣な行為がでてくる現時点でこを、暴力が歴史的にどう変化してきたのか、それを減らしてきた要因がなんなのかを知ることは、一層考察を深めるのに大事だと思う。

 厚いけど、「暴力の人類史 上下」はすばらしい本だと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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