小熊英二編著『平成史』を読んで、やっぱり最後の小熊論文が一番切れがいいかな。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/02/23

小熊英二編著『平成史』を読んで、やっぱり最後の小熊論文が一番切れがいいかな。


平成史【増補新版】 (河出ブックス)平成史【増補新版】 (河出ブックス)
(2014/02/13)
小熊 英二、菅原 琢 他

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 以下、章、論者ことへのコメント

(1)政治(菅原琢)「支持政党なし、支持政党が安定しない有権者が増えたのは、政党側や各政党の方向性が不安定なことによる」(p139)

 「地方代表型の政党傾向は政党だけでなくその選挙区に引っ張られる」(p155)

 比較的常識的な記述だと思う。

(2)経済(井出榮策):1960年から1974年、プロト期、1975年から1998年土建国家期、1999年以降解体期(p211)

 確かにそのように分析できるが、次ぎの政治スキームをどう考えているのか、を示してほしい。

(3)地方と中央(中澤秀雄):空間ケインズ主義(土建主義)、都市圏立地主義の次ぎの第三の回答を探すしかない。(p262)

 (2)のコメントと同じ。

(4)社会保障(仁平典宏)OECD諸国では、女性労働力率と合計特殊出生率が、1970年ではマイナス、1985年で無相関、2000年では正の相関となった。だが日本は逆の相関。(p293)

 高齢者層は配分後に大幅にジニ係数が減っており、再配分の恩恵をほとんど高齢者が受けている。(p309)7

 後半でネオリベラル的な政策だと最近の社会福祉関係の改正を批判しているが、限りある財源の中で、どうやって再配分をするかという視点で冷静に分析した方が説得力があると思う。無償にすれば過剰な需要が生じるのは別にネオリベラル的な政策というよりも、財政負担をより効果的な配分をするための方策に転換すべきとの示唆だと思う。

(5)教育(貴戸理恵)

 これはコメントだけだが、雇用政策は、非常勤雇用の期限をくぎって常勤化を義務づけても、5年で首を企業はきるだけで常勤化にはつながらない。海外のより低コストの労働力と競争している業種はなおさら。むしろ、生産性が低い正社員の流動化を(正社員は自分を含めて既得権をもっていて、自分も含めて厳しい意見になるが)、進めて、能力のなり高額所得をえている社員を円滑に首を切って、能力のある若者を円滑に途中採用する社会にならないと雇用の問題は解決しないと思う。

  (外国人と情報化はとばす)

(6)国際環境とナショナリズム(小熊さん)
 ハイテク化する軍事技術によって、大きな部隊を海外展開する必要性は米軍でも薄れている。しかし、日本ではおもいやり予算(年間12万ドル)で、ドイツ(年間1万ドル)や韓国(年間2万ドル)に比べて圧倒的に安く駐留できるので、日本に基地を置いている。(p527)

 エリート外交官がすべてを取り仕切る今の日本の外交は、政治体制、情報技術水準からいっても行き詰まっている。もっと問題の広い認知、対抗的専門家を含む幅広い議論、構想力が必要。(p570)

 よみがいがあるが、やや玉石混交感もあり。小熊さんの論考をもっと読みたい。

参考文献:「道路整備事業の大罪」(洋泉社新書)、『持たざる国の資源論』(東大出版会)
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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