パットナム編著『流動化する民主主義』を読んで、社会関係資本が衰退しているとは簡単に結論づけられない。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/03/09

パットナム編著『流動化する民主主義』を読んで、社会関係資本が衰退しているとは簡単に結論づけられない。


流動化する民主主義: 先進8カ国におけるソーシャル・キャピタル流動化する民主主義: 先進8カ国におけるソーシャル・キャピタル
(2013/07/10)
ロバート・D. パットナム

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 欧米と日本の社会関係資本の比較研究の書。最近でたのだが、データは2000年ぐらいまで。

 パットナムが『孤独なボーリング』で指摘したような、社会関係資本が近年脆弱化しているという指摘は、アメリカも含めて、欧米及び日本で該当するのかどうか、この本を読んでも判然としない。

 むしろ、社会的関係資本は国民相互の信頼感とか幸福度に大きく影響するという視点から、社会関係資本をもり立てる仕組みとか視点とかその効果など、小生が気なった記述を列記しておく。

(1)日本:猪口孝「過去20年の間に社会団体と市民団体が激増するとともに、その活動が著しく活発になっている」(p336)
 阪神・淡路大震災のボランティアが例にあがっているが、東日本大震災でも一層ボランティアの活用の重要性は明らか。

(2)日本「議会制民主主義への信頼は高いが、政治家への信頼は低い。」(p312)

(3)オーストラリア:公共空間がなくなることは人との接触を従来より難しくする。(p305)

(4)スウェーデン:経営者代表と労働組合代表が協議して決めるスウェーデンモデルは終焉に向かっている。(p284)

(5)スウェーデン:スウェーデンの労働組合組織率は85%を超えているが、失業保険の管理を労働組合が行っていることから加入した方が得と労働者が判断しているため。(p266)

(6)スペイン:スペイン人は公式の組織よりも非公式の組織、限定的で標準化されている組織よりも親密でゆるやかな組織での社会的結合を好む。(p232)

(7)ドイツ:連邦家庭・高齢者省の「出会いの場」プロジェクト、ボランティア活動家と医療、福祉専門家、部屋の提供、金融支援の情報提供、継続的教育の支援、自助グループの設立支援を行うもので、連邦、郡、市とドイツ同権福祉会の共同事業として行われた。(p203)

(8)イギリス:社会的信頼感が低下してきている。その中も、低技能肉体労働者、低学歴者の低下が著しい。(p29)

 大きな傾向はよくわからないが、社会的関係資本の現状分析やそれをcultivateする動きがでていることは注目に値すると思う。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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