『ソフトローの基礎理論』を読んで、都市計画制度へのimplicationが難しい。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
pagetop

2015/03/13

『ソフトローの基礎理論』を読んで、都市計画制度へのimplicationが難しい。


ソフトローの基礎理論 (ソフトロー研究叢書)ソフトローの基礎理論 (ソフトロー研究叢書)
(2008/11)
不明

商品詳細を見る


 「最新エリアマネジメント」で小林先生と中井先生がともに参考文献にあげていたので気になって購入。

 要は、きちんとした強制力をもった法律と、地区や組織の同意した人だけによる自立的なルール(ソフトロー)との比較。

 前提としては、会計基準のように、従来は商法などによっていたものが、会社経営者と投資家との間のルールなのだから市場に任せた方がいいとして民間団体が決める、法律からソフトローへの進化が行われた(p112)といった現象を背景にして議論している。

 しかし、このような、法律に決めるのをやめて、ソフトローに委ねるといいう法律実務はそんなにあるのだろうか。

 例えば、建築協定は、ソフトロー類似だが、同意した期間がくると再度の同意がえにくく、むしろ地区計画という法律類似の都市計画に以降しているのが現実だと思う。

 法律には強制権があるので、フリーライダーを防げるというメリットがあるが、実態として、強制権を発動するための費用、コストが大きいので、違法案件が多すぎると「ざる法」になってしまい、効果が薄い。

 ソフトローも、フリーライダーが多いと効果がないが、フリーライダーが少なく、その組織や会を脱会させられること、もしくは所属していないことに、社会的心理的な圧力がかかるような状況だと効果がでてくる。

 結局、両方とも、フリーライダーや違法をあえておかそうとする人がいる場合には、解決策にはならないが、あえていえば、見せしめ的にいくつか強制執行してフリーライダーや違法物件所有者の是正に取り組めること、さらに、役人がその実務を担うことが可能となること(もちろんその役人を雇用するためには税金がいるが)、からみて、法律で対応するしかないということだろう。

 逆に、フリーライダーがほとんどいない場合、違法をあえておかそうとする人がいない場合には、ソフトローでも意味があるということになる。

 都市計画でも、まちなみの保全のような、みんなが少しずつ我慢して、みんなで環境を守るという性格のものは、なかなか同意を一つずつとることは難しいので、法律で対応するのが筋だと思う。

 エリアマネジメントは、その上でさらに維持管理という継続的な活動を担保するもので、そもそも活動を強制執行することはできないし、また、そのための費用を強制的に徴収するのも費用が非常にかさむので現実的ではない。むしろ、同意がとれた地区なり組織から活動を初めて、そのかわりその活動の利益をできるだけ同意者、会員に限定して提供する仕組みを考えることによって、同意者、会員を増やしていくというのが戦略的に正しいと思う。

 仮に、フリーライダーを強制的に加入させる仕組みをつくっても、現実には活動に協力しないか、逆に活動を混乱させるだけになって、現実的ではないのではないか。

 第三部第2章の加賀彰一郞先生が指摘しているとおり、ハードロー(法律)からソフトローへと粛々と権限委譲されるものでもないと思う。

 ソフトローについては、前書きで非常に有望な鉱脈を突き止めたと書いてあるので、もう少し、この双書を追加的に勉強してみる。
スポンサーサイト
pagetop

コメントの投稿

非公開コメント

pagetop
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
電力使用状況&電気予報
プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

FC2カウンター
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。