栢原英郎『日本人の国土観』を読んで、これからはつくらない国土計画、国土経営計画の時代だと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/03/21

栢原英郎『日本人の国土観』を読んで、これからはつくらない国土計画、国土経営計画の時代だと思う。


日本人の国土観日本人の国土観
(2008/11/15)
栢原英郎

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 国土計画も曲がり角にきていると思う。

 従来の開発型、地域振興型、それを支える社会資本整備型の計画から、社会資本をつくらず活用する計画、自然や環境、エネルギーの持続可能性を確保するための計画、財政と経済の持続可能性を確保するための計画に転換すべきだろう。

 ひっくるめて、国土計画から国土経営計画の時代だと思う。そういう大きな問題意識からこの本を読むと参考になる点とずいぶん細かい点にこだわっているなと思う点がある。

(1)四全総のときに東京の国際拠点性を打ち出して、細川熊本県知事に攻撃されてトーンダウンした話(p94)

 世界と戦うという視点と地方の自立という視点は両立するし、させないといけない思う。

(2)四全総では、利用機会均等という観点から、交通量にかかわらず、5万人以上の都市から高速道路1時間アクセスを打ち出した。(p99)

 これは疑問。要は費用対効果がなくても、高速道路をつくることになる。それがその後に世の中から無駄な道路と攻められたし、高速道路会社の経営をも圧迫する要因になる。

(3)戦後の技術者の役所での地位向上に貢献した人として、宮本武之助氏や鈴木雅次氏、兼岩傳一氏(兼岩氏は途中から共産党に入党して建設省の批判派に転換)をあげていること。(p220)

 戦前のように、技術者が実力があるのに昇進できないという人事はおかしいと思うが、今の時代、作らない時代、国土の経営を考える時代に、昔の技術者運動を評価するのもなんとなく時代錯誤的な感じもするな。むしろ土木技術者が、つくらない時代になってどう思想的にも、自分のバックボーンである土木技術そのものについても、転換していくべきかとの視点が重要だと思う。

 ちなみに、この本を通じて、ほとんどつくらない時代における、新しい国土計画、国土経営計画への展望はほとんど観じられない。土木学会会長の立場もあるのかもれしれないが、時代認識が甘いと思う。

 なお、参考文献、ブローデル『地中海』
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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