ヤネフ『橋梁マネジメント』を読んで、建設から管理の時代になると経営のセンスがいると思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/03/21

ヤネフ『橋梁マネジメント』を読んで、建設から管理の時代になると経営のセンスがいると思う。


橋梁マネジメント―技術・経済・政策・現場の統合橋梁マネジメント―技術・経済・政策・現場の統合
(2009/09)
B. ヤネフ

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 ニューヨーク市の橋梁部門を担っていたヤネフ氏が、土木工学だけでなく、経営や情報システムなどのことを縦横無尽に語った本。

 基本は土木工学の本なんだが、最初の方が哲学的な記述が続いて、知的バックボーンの幅広さがうかがわれる。ちなみにかばちゃんの推薦。

 自分なりの感想をいうと、橋梁をつくるときは、費用便益分析で、整備主体の収入にならない、時間短縮効果なども説明して整備効果を説明して予算もつくのに対して、維持管理というのは、既にできている橋梁の機能を維持するということだから、そもそも収入が具体的にどのくらい上がっているのか、かりに無料の橋梁でも、その橋梁が存在することによって橋梁を管理する主体に間接的であれどのような収入や税金が入ってくるかという視点に実質的に左右されがちになる。

 その意味で、マネジメントの時代は、インフラでも経営の観点が重要になる。

 また、維持管理をしつつ、最適な時期(この判断も難しい)に、再整備をすることになるが、その時点の社会情勢によっては、もう掛け替えないで、その橋と道路は廃止するという判断もしなければならない。人口減少社会で、農山村集落など人口密度の低い集落のための橋梁などは、そういう可能性もでてくる。例えば、橋梁建て替えするよりは、集落を全部移転してもらった方がやすいという事態もありえる。

 この意味では、マネジメントの時代は、インフラだけでなく地域計画全体での位置づけが重要になる。

 さらにいえば、新規に橋梁を整備するときには、国庫補助もでるし、単年度予算であっても、整備内容に応じて予算を計上すればいいが、橋梁の維持管理や将来的な掛け替えという観点からは、将来的に税収が厳しくなることはわかっている現時点から、基金のような形で予算を計上して積み立てておく必要がある。市町村が庁舎建て替えで予算を積み立てるのと同じ感じ。

 この意味では、マネジメントの時代は、単年度予算の枠を越えて減価償却的な発想であらかじめ必要な予算を積み立てておくことが必要となる。

 これらの論点は、実は橋梁だけでなく、すべての公共施設、公共建築物に該当する話でもある。こういう深い考察を日本の土木技術者もしてほしいし、インフラの話は自分たちの領域と抱え込まないで、経営とか予算管理の知識との融合なり連携が必要だと認識したところ。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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