ジェラテリー『ヒトラーを支持したドイツ国民』を読んで、ドイツ国民に不都合な米国の学者の本をドイツ政府が廉価で販売するのがすごい。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/03/22

ジェラテリー『ヒトラーを支持したドイツ国民』を読んで、ドイツ国民に不都合な米国の学者の本をドイツ政府が廉価で販売するのがすごい。


ヒトラーを支持したドイツ国民ヒトラーを支持したドイツ国民
(2008/02/19)
ロバート・ジェラテリー

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 メルケルが来たこともあり、ヒットラーの勉強をしてみようと購入。ヒトラー時代のドイツ国民の意識や態度を米国の学者が、新しい資料で分析した本。

 要は、ヒットラーの様々な残虐な行為は、ドイツ国民が知らないうちに行ったのではなく、ドイツ国民には広く新聞やラジオで宣伝され、ドイツ国民は支持するとともに、共産党員、カトリック、ユダヤ人、ロマ、ポーランド人などの迫害に対して、国民自らが積極的にゲシュタポに密告していたことを、具体的な資料で説明している。

 これは、ナチスは悪いが、ドイツ国民は悪くないという、ドイツ人の罪の償い方に対する反論となり、今のドイツ政府の政策にも都合のいいものではないにもかかわらず、積極的にドイツ語の廉価版をドイツ政府が販売しているのに、ドイツ政府の度量の広さがわかる。

 その他、大事と思った点。

(1)ナチスの組織、例えば、親衛隊やゲシュタポだけでなく、刑事警察や裁判所も、一体となって、ユダヤ人、ロマ、ポーランド人、ロシア人などの法手続きによらない、処刑を実施していたこと。決して、ナチス組織だけの問題ではなく、当時のドイツ政府全体の問題であること。(p162)

(2)同時に、親衛隊だけでなく国防軍自体も占領地でのポーランド人などの迫害、処刑に荷担していたこと。

(3)ナチスドイツ政府に対しては、連合国がノルマンディーに上陸した後でも高いドイツ国民の世論の支持があったこと。(p304)

(4)ヒットラーが政権をとった後、国民投票によって圧倒的支持を得ることを通じて独裁的な権限を得たこと。これを著者は国民投票型独裁制と呼んでいること。(p308)

(5)ドイツ兵器産業であるクルップだけでなく、VWやBMV、ジーメンスなどドイツの大企業が強制収容所のロシア、ポーランドなど外国人収容者を戦時体制の労働者として派遣することを要求し、実際に働かせたこと。(p258)
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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