下河辺淳『戦後国土計画への証言』を読んで、過去とは違った切り口の国土計画のあり方が重要。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/03/29

下河辺淳『戦後国土計画への証言』を読んで、過去とは違った切り口の国土計画のあり方が重要。


戦後国土計画への証言戦後国土計画への証言
(1994/04)
下河辺 淳

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 役所の図書館で借りてきた。

 下河辺さんは、建設省の先輩で、戦後の国土計画をひっぱてきた人。その人の証言をまとめたもの。

 過去の経緯としては、「都市政策大綱」が田中角栄氏の秘書の早坂茂三氏と麓邦明氏が中心となり各省庁の若手、下河辺氏を含む、の役人がメモをだしあってまとめたもの(p105)、列島改造論は田中氏が通産大臣の時に通産官僚が中心になってまとめていて、下河辺氏は関与していない(p123)、四全総は綿貫長官が中曽根総理に説明したときに、東京の国際金融都市機能を重視すべきといわれた(p188)、田中内閣の時の福田大蔵大臣は国土利用計画法を説明したときに23区の地価凍結を提案した(p249)、など、おもしろい証言あり。

 国土計画について、注意すべきと思った点。

(1)国土計画の意義として、土地利用の総合性とナショナルプロジェクトがあると指摘していること(p349)

 今のナショナルプロジェクトは、大規模なハードというよりも、分散型のエネルギーシステムとか、地域自立型の地域社会とか、自然や歴史文化資源、景観資源の保全といった、日本の国土の持続可能性を確保するための視点そのものではないか?

(2)今後の国土計画では「小都市論」が重要と指摘していること(p356)

 東京都心とかブロック中枢都市はそれ自体で発展可能性があるが、それ以外の都市、特に、小都市で、地域自立的な地域経済や生活環境をどうやって維持していくかは重要だと思う。

(3)「最後に言いたいのは、国土政策は、人と国土のかかわり合いに関する権力の政治的意図であり、これをまとめたものが国土計画ですから、政治学を学んだ人びとが国土プランナーにならないかという、つまり、工学部と経済学部の仕事だけでなくて、政治学、歴史学の仕事だというのが最大の私の結論なんです。日本の政治家たちが時間軸だけ議論しないで、空間軸でもっと発言してくれていいのではないかと思うのです。」(p376)

 まあ、政治学は政治家になるための学問ではないけど、国土計画について工学系だけでなく歴史学の視点も重要だと思う。

 いずれにしても、下河辺さんの指摘を乗り越える視点を持たない、人口減少社会、経済が停滞して、開発方式とか拠点方式、巨大インフラを乗り越える、国土マネジメントの国土計画の政治思想はつくれないと思う。今の現役の奮起のしどころだと思う。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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