ドーキンズ『神は妄想である』を読んで、日本では当たり前の議論だが、英米では勇気のいる発言だと思う。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/03/28

ドーキンズ『神は妄想である』を読んで、日本では当たり前の議論だが、英米では勇気のいる発言だと思う。


神は妄想である―宗教との決別神は妄想である―宗教との決別
(2007/05/25)
リチャード・ドーキンス

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 「理不尽な進化」を読んで、ドーキンズの考え方が進化論では主流と読んだので、「進化とは何か」「利己的な遺伝子」に加えて、3冊目として、適当に選んで読んでみた。

 全体的に、進化生物学の立場を徹底して、宗教の意義を徹底的に否定し、その問題点を列記している。

 日本では、ここまで聖書ががんじがらめに読んで、科学教育とか子どもの教育をゆがめる動きは少ないと思うので、むしろ進化生物学の観点からのドーキンズの指摘をメモしておく。

(1)眼のような複雑な構造でも、累積的な自然淘汰の結果として説明できる。山を登るのに、切り立った崖からは難しいがうらがわの緩やかな斜面からは登れるのと同じ。(p182)

 「進化とは何か」では、進化途中段階のオーム貝の小さな穴だけあいていて、レンズのない眼を進化中間段階といて説明している。

(2)群淘汰の議論は、例えば、部族のための自己犠牲の考えを持つ戦士がたくさんいる場合には戦争にかつので生き残るという説明など、わかりやすいが、群の中でフリーライダーがいるとそのフリーライダーが一番生存確率が高いので、最終的にはフリーライダーだらけになってしまって絶滅すると考えるべき。(p252)

(3)宗教は、子どもの脳が疑いを持たずに親や部族の長老の意見を信じるという能力が、生存能力を高める一方で、子どもの脳はよい忠告と悪い忠告を区別できないので、宇宙や道徳、人間の本性に関する命題などを信じてしまい、それを自分の子どもに伝えていくことで生まれた。要は一種の遺伝形質の副作用。(p260)

 ドーキンズはこの本の各所で、宗教団体が子どもに地獄の煉獄の苦しみを教え込んで、宗教から離れられなくする教育を厳しく批判している。これも、この視点からの批判と理解できる。

(4)道徳については、第一に、「利己的遺伝子」で述べているように、血縁関係によって自分の遺伝子を残す活動、第二に、第二にゲームの理論で安定的な結果が得られている「最初に親切、裏切ったら報復」ルールの結果として実現するもの、第三に群れの中の「評判」、一度関係を築けば寛大、だましたら情け容赦なし(これは第二の結果でもある)という評判がたてば、進化論的に生存価がある結果、などと説明される。(p321)

 徹底的に生物進化学者として、自分の遺伝子を残すという基準でものごとを整理しつくす、それによって、人間の信念や道徳意識、宗教意識をハダカにしていく、というドーキンズの発想は、英米のようにキリスト教の原理主義者のおおいところでは命がけだろうけど、小生にとっては、クリアな分析、こういうものの見方を完徹させる理論的明瞭性に強く引かれる。

 科学的なものの見方の模範だと思う。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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