ブローデル『地中海 Ⅰ』を読んで、16世紀の欧州の大きな歴史の流れがつかめる。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/04/07

ブローデル『地中海 Ⅰ』を読んで、16世紀の欧州の大きな歴史の流れがつかめる。


地中海 (1)地中海 (1)
(2004/01)
フェルナン・ブローデル

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 四全総をまとめた役所の先輩がブローデルのこの本をさかんに推奨していたhttp://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-3221.htmlのと、ウォーラステインの「近代世界システム」がブローデルを継承していると理解していたので、ブローデルの主著を購入。

 この訳書は厚いが字が大きく読みやすい。

 第一巻は、「ほとんど動かない歴史」として、地形や海、気候などの環境条件を分析している。語り口はわかりやすく、親しみやすい。これをフランス軍将校としてドイツの捕虜収容所に入っていたときに書き上げたというのは奇跡に近い。

 最後の第5章の「人間の一体性」というタイトルで、都市と交通を扱った部分が特に個人的にはおもしろい。

(1)16世紀は欧州の都市は人口増加が明確だったが、同時に食糧不足、疫病(ベスト、牛痘など)、移民の集中などの問題と政治的危機を引き起こした。

(2)移民としては、都市の周辺部からの移民のほか、リスボンには黒人が、コンスタチノープルなどはスペインから追放されたユダヤ人が集中し、特にユダヤ人がヴェネチア人などと競争しても勝てるまでの小売り商人になった。(p563)

(3)都市の政治的危機とは、都市国家として自立して都市が、領土国家、絶対王政国家の一部として吸収されたこと。しかし、都市が持っている金融資本などの力は特権的なものとして都市(の大資本家)に残った。(p573)
 著者は、ナポリとイスタンブールについて、当時地中海で最も人口の多い都市であり、「都市の美しい怪物」「巨大な寄生虫的存在」と指摘している。(p582)

(4)これは有名な記述かも知れない。「地中海における人間の一体性とは、このような道路の空間と都市の空間であり、権力の路線と中心地である。都市と交通路、交通路と都市とは、空間をただ一つの人間的に整備することにほかならない。地理的空間の形、骨組み、そしてその空間を照らし出す文明がいかなるものであれ、地中海という都市は交通路の創造者であり、また同時に交通路によってつくられているのである。」(p464)

 その他、サハラ砂漠でのキャラバン隊のルート図(p305)、ドイツの街道(p338)など、みるだけすごいと思える図表もある。

 これは都市計画を勉強する人には必須の本だなと痛感。いまごろ読んでいて、ちょっと恥ずかしい。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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