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2015/04/09

パットナム『哲学する民主主義』を読んで、市民的な共同主義が経済成長を支えるという分析は魅力的。


哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造 (叢書「世界認識の最前線」)哲学する民主主義―伝統と改革の市民的構造 (叢書「世界認識の最前線」)
(2001/03)
ロバート・D. パットナム

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 パットナムは「社会関係資本」を提示したアメリカの政治学者。「孤独なボーリング」http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-3151.html、「流動化する民主主義」http://shoji1217.blog52.fc2.com/blog-entry-3204.htmlときて、一番最初のイタリアの南北政治状況を分析した本に戻ってきた。

 文章、論理展開は極めて明解。

 イタリアの南北の経済格差、政治状況の運営の適正さの南北格差の背景には、市民的な共同主義、社会的関係資本の厚さの違いが関係しており、その社会関係資本の厚さの違いは、中世当初の11世紀の南部のノルマン王国の圧政、対直的な統治構造と、北部の中小自治都市(コムーン)による水平的な共同統治の歴史が影響しているという。

 さらに、北部での協同主義的な社会秩序というのを、ゲームの理論による長期的な均衡(長期的には信頼した方が有利になる)という理論を援用して、必ずしも、ホッブズがいうような常に信頼しないという社会が定着するわけではないことを説明している。

 この点は、ドーキンズの「利己的な遺伝子」と同じ理屈。ドーキンズ的にいえば、長期的には、「まず信頼する、そして裏切ったら制裁する」というルールをとっている北部の遺伝子が進化の過程で淘汰されて生き残るとでも説明するのではないか。

 いずれにしても、共同体意識が強い場合に、社会的な安定性、政府の効率性、経済成長が生まれるという結論は、政策立案の際には極めて魅力的。これで世界中が分析を完徹できたらよいのだが、「流動化する民主主義」では、各国であまりパットナムのいうような分析が妥当しないかのような結論(というか、もやもやした結論)になっているのが残念。

 日本の経済社会を今後持続可能にしていくためにも地域の共同体や結社(association)が重要になってくるはずなので、パットナムの指摘は重要なものと理解したい。
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佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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