フレッチャー『知識人とファシズム』を読んで、日本の戦前の知識人の隠された真実を知る。 - 革新的国家公務員を目指してー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at the innovative official

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2015/04/28

フレッチャー『知識人とファシズム』を読んで、日本の戦前の知識人の隠された真実を知る。


知識人とファシズム―近衛新体制と昭和研究会知識人とファシズム―近衛新体制と昭和研究会
(2011/03/18)
マイルズ・フレッチャー

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This book analyzes the elites in academic area in the world war second. According to an today's accepted theory, they were pressured to change their opinions by tne Japanese government, and keep silent in the period of the War. Though, the writer revealed that the elites in the academy aggressively supported the government policies such as 'the Greater East Asia Co-prosperity Sphere' on the basics of their knowledge of politics, economics, and public philosophy. To make the thing worse, the successors of their elites kept secret their teachers' opinions and actions after the war.

 著者はノースカロライナ大学の先生。

 戦前の1930年代に近衛文麿氏のブレーンとなった昭和研究会のメンバー、蠟山政道、三木清、笠流太郎の3氏の動きを分析している。

 蠟山氏は東京帝国大学の政治学の教授、丸山真男氏の師匠。三木氏は京都帝大を卒業した哲学者。笠氏は、東京商科大学(現一橋大学)をでたエコノミスト。いずれも当時の超エリート。

 著者は、この三人が、昭和研究会を開き、東亜共同体構想など、ファシズムに影響を受けつつ、陸軍の動きを支える思想活動をした背景には、国策に影響を与えたいのに、権力から離れていることへの焦慮があると指摘している。(p16)

 日本で最高の教育を受けた知識人がなぜ道を誤ったのか。自分なりに整理してみる。

(1)エリートは愚昧な庶民や政治家より優れているのだから、政治を引っ張るべきというエリート意識があったこと。

(2)政治思想は時代ととともに変わりうるという柔軟な思想を持っていたが、一方で、ヨーロッパ崇拝主義があって、イタリアやドイツのファシズムの動きを新しい世界の動きと誤解したこと。

(3)自分の新しい政治思想を国策として利用しようとして、官僚、軍部に近づいたこと。

(4)政策の対象として、ミクロの国民という視点ではなく、マクロな、当時の学者がよく使う、有機体としての、協同体としての国家を概念していたこと。

(5)当時としてはやむをない面もあるが、統制経済、計画経済の問題点を理解せずに、市場メカニズムを破壊しようとしたこと。

 そして、最も重要なことは、このような戦時中に近衛氏や軍部に協力した政治学者、哲学者、経済学者を、例えば、丸山真男をはじめとする戦後を代表する学者たちは、自分の恩師であることから、意図的に批判をさけ、その行動についての歴史的評価を避けたこと、そして、国民からその存在を忘れさせたこと。

 この蠟山氏などの行動や思想を追いかけてみると、その場面、場面では、極端な変革を避け、漸進的に社会改造をしようとしたことなど、理解できる部分があるが、結局、エリートの自己実現の「欲」が、体制へのすり寄りを誘導したのだと思う。また、流行の欧米思想をなんでも大事にする発想も注意が必要なことがわかる。

 もっと、真摯に学識経験者は戦時中の恩師や先輩の行動を批判し、同じ過ちを繰り返さないための、思想の枠組みをどうやって構築すべきかについて、何度も国民に語りかける必要がある。恩師だから批判しないというのでは、日本は進歩しないと思う。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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