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2015/08/10

『ハルピン駅へ』を読みました。

ハルビン駅へ 日露中・交錯するロシア満洲の近代史 [単行本]
ディビッド・ウルフ
講談社
2014-10-07

 ひさしぶりに、かばちゃんの推薦。名著。

 著者は、アメリカ人で、北海道大学のスラブ研究センターの教授。

 ロシア側の文章を中心にして、19世紀後半から、1931年の満州事変までの間の、ハルビンの歴史や生活を定年に分析した本。

 正直言って知らないことばかり。日本の政治学者や歴史学者からは分析されない、ロシア、ソ連時代の東清鉄道の中心地であったハルピンの姿がよくわかる。

 東清鉄道を整備したウィッテを中心とするロシア大蔵省と、クロポトキンを中心とするロシア陸軍を確執など、興味深いが、特に、ロシア大蔵省が中心となって、ロシアの中では少数派のユダヤ人、ポーランド人、ロシア国教以外のキリスト教徒などを、積極的にハルビンに招いたこと。
 これが、19世紀の最後から20世紀当初において、ハルビンの繁栄につながった。これには中国人も同然関与し、また恩恵も受けている。

 イノベーションには、多様性と寛容さが不可欠ということがよくわかる。

 その他、日露戦争直前のロシア政府内、宮廷内での、陸軍と大蔵省の権力争いから、本来、戦争を望まなかったニコライ二世が戦争に巻き込まれていく分析なども(p141)、「坂の上の雲」しか読んでいないと絶対に間違えると思う。

 また、ウラジオストックにロシアがつくった「東洋学院」の卒業生が、中国での日露戦争以後、平和的?経済的なロシアの中国の浸透に貢献したという話(第5章)は、日本の上海東亜同文書院や満鉄調査部にもつながるが、それと同様の取り組みは現在の日本で行われているのだろうか。

 中国語と中国の歴史文化に詳しい人材は経済外交の面でも重要だし、それを推進する、大学なり専門学校的な学院があってもいい気がする。別に文部科学省が指導しなくても、日本の社会や経済のニーズに対応して、学部やセンターを作っていけばいいと思う。
 ちなみに、最初に著者の肩書きをみて、さすがと思ったが、北海道大学がスラブ研究センターをつくって、ロシアの分析をするなんてすばらしいと思う。別に文部科学省の指導があったわけではないと思うが。

 その意味では、沖縄とか九州に中国文化センターとかできてもおかしくないな。もうあるのかな。
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プロフィール

佐々木晶二

Author:佐々木晶二
現役国家公務員(現在研究休職中)です。
早朝、毎日、一冊以上の読書を目指しています。
今は、平日は、都市計画と東日本大震災関係の本を読んでいます。
休日は、海外情報、古典、歴史など、幅広く教養をつけるための本を読んでいます。

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